こんにちは。歯科技工士の中村八大です。
みなさまは、歯科技工士という職業をご存知でしょうか?歯科技工士とは、さし歯や、入れ歯と言われる、いわゆる歯科技工物を製作する職業です。多くの歯科技工物の中で製作難易度が最も高く、知識や経験によって全く違う技工物となってしまうのが入れ歯の製作です。
20代の頃は様々な勉強会に参加をして少しでも患者さんにとって良い入れ歯を作れるように努力をしました。殆どの勉強会では噛める事が重要視され、入れ歯を口の中に入れた時の異物感に関しては触れられる事は無く、また自分自身もその様に考えていました。
自分の入れ歯への考え方を大きく変えたのは同じ歯科技工士の野村穐生先生との出会いでした。野村先生からは、まずどのような入れ歯であっても患者さんの立場になり作ることが大切なのだと教わります。
具体的に「患者さんの立場になる」という事を知るために自分で製作した入れ歯を自分の口の中に入れ、患者さんはどれだけ入れ歯で我慢しているのかを実感することから始めます。
そして何度も何度も自分の口に入れる入れ歯を作ることにより異物感の少ない形とは・・・を学術的にではなく体感的に理解することで機能美デンチャーが誕生しました。
髪の毛1本が口の中に入っても「ん!?」と即座に感じるほど口の中は繊細です。食べ物が固いのか、やわらかいのか、熱いのか、冷たいのか、甘いのか、辛いのか。口の中はそれを即座に感じる様々な器官が集合しているのですから当然と言えば当然です。
そんな鋭敏なセンサーを相手に、患者さんに喜んで頂ける義歯なんて作れるのだろうか・・・というのが機能美デンチャーの原点でもあり、私たちの検証のスタートでした。
私たちが製作している機能美デンチャーとは、どのようなものかと言うと一言で言えば「快適な入れ歯」とさせて頂きます。快適な入れ歯と言っても色々とあるとは思いますが、食べ物を美味しく食べられる事、審美的に問題がないこと、発音障害が起きない事がまずは快適な入れ歯への一歩だと思います。
「考えられる全ての良い事を取り入れよう!」
義歯については昔から様々な考え方や理論があります。裏を返せば、まだ正解が出ていないとも言えます。多くの文献や理論が書かれた本を読み、多くの勉強会に参加させていただき、そこから得られた「良い事」だけを集めれば、私たちの考える最高の義歯が作れると確信しました。
リビングには様々な家具や電化製品がありますよね。多くの家ではテレビ台の上にテレビが置かれています。もしテレビが壊れてしまったら、前のテレビを処分して、同じ場所にテレビを置きます。同じようなテレビを置けば最初は違和感があるかもしれませんが、いつの間にか慣れて、いつもの日常にすぐに戻ります。しかしテレビ台の上にではなくダイニングテーブルの上に同じ大きさの新しいテレビを置いたら・・・これはさすがに違和感がありますよね。どんなにテレビを薄くしても小さくしても違和感は消えないと思います。「あるべき場所に戻すべきではないか?」よいうことが、違和感をなくすためには重要ではないか、ということなのです。
これは口の中でも同じなのではないか・・・と考えました。
仮に残念ながら抜けてしまった歯や痩せてしまった歯肉の部分にだけに義歯を置けば、元の口の中の状態と同じなのですから異物感はないのではいか?そこに本来ないはずの物があったりすると違和感(異物感)を感じるのではないか?という事に辿り着き、同時に目指すべき義歯の形が見えてきました。
口の中に入れているのが不快な入れ歯だと、日々の生活を行う上で大きなストレスになります。そのストレスを少しでも軽減する為に様々な工夫を入れ歯に施してあります。患者さんの口の中に調和させる事が何より大切であり、何より難しい事です。
口の中は患者さんによって様々な形をしており、必ずしも最初から満足できる入れ歯にはならないかもしれませんが、どこを直して欲しいのかを教えて頂ければ、そこに近づける様に可能な限り努力致します。
入れ歯治療は、保険でも自費でも義歯は全てオーダーメイドと言わています。
しかし、異物感をとことんなくす、ということに辿り着いた私たちから言えば本当のオーダーメイドではありません。
使って頂く患者さんの「趣味」「好きな食べ物」「スポーツはなされるか?」「何に重きを置いた生活をなさっているか?」「お体の状況」にまで踏み込んでお聞きし、義歯の設計線を引き、製作方法や使用する材料まで厳選するのが本当のオーダーメイドであると考えるからです。
そうでなければ義歯を装着し、装着後の患者さんの生活までを考えた義歯を作り上げることは不可能だからです。「同じ部分の歯が抜けていたとしても」同じ設計にはならないのです。これは先ほどもお話したとおり、患者様の「何に重きを置いて生活なさっているのか?」が重要となります。
100人の患者様がいらっしゃれば、100通りの正解がそこにはあります。
「何より食事を楽しみにしている」「見た目がいちばん大切」「できれは義歯だと気づかれたくない」等のお話をお聞かせ下さい。
歯の色(形)が独特で義歯の歯(人工歯)の色(形)では、なんかおかしい・・・。でもこの色(形)が一番近いと言われたけど我慢するしかないのかな・・・。
そのような要望があるのでしたら、私たちはその独特な歯の色(形)に合わせて人工歯から作ります。良い部分ではなくダメな部分を、聞かせてください。
「もう少し、こうなれば良いけど・・・前よりはだいぶ良くなっているし・・・これで良いかな・・・。」
それは究極のオーダーメイドではありません。
「もっとこうしてほしい!」という部分がありましたら遠慮なさらずに仰って下さい。修正や、お作り直しを致します。しかし困難な部分もあります。その時には「なぜ出来ないのか」をしっかりご説明させていただきます。
私たちはこれからも「患者さんの為の入れ歯を」を作り続けます。入れ歯でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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